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シンセサイザー講座⑤PCMシンセの利点と欠点

こんにちは。

前回までのシンセ講座でシンセサイザーの基本的な音作りの流れを書かせていただきました。

シンセサイザーとはなんなのか、普通のキーボード(ステージピアノ)とは何が違うのか、あまり詳しくない方からするとよく分からないと思います。昔はシンセといったらあまり種類はなかったそうですが、近年(といっても僕が生まれる前からの話になりますが…)はPCMシンセという新手のシンセサイザーが登場して、話をややこしくしていると僕は思っています(笑)

今日はその辺に関して書きたいと思います。

 

PCMシンセについて

PCMシンセに関しては確か以前の記事で少し説明させていただきました。簡単にいうとオシレーターとしてオーディオファイルを使うシンセの事です。オシレーターとしてオーディオファイルを使うというとあまりイメージが湧かないかと思いますが、要するにピアノやギターなどの実在する楽器の音も出せるという事です。シンセサイザーの音作りの流れは、オシレーターの音量、フィルター、音程にEGやLFOで時間的変化を付けたりして行いますが、PCMシンセサイザーの場合はオシレーターが正弦波などの単純な波形ではなく、ピアノの音であったりスネアドラムの音であったりする訳です。

 

音作りをする気がないならソフト音源を使おう

 

最近は何万円か出せばPCMシンセよりもリアルな生楽器のソフト音源が手に入ります。単純に生楽器同様のリアルさだけを求めるならソフト音源を買いましょう。PCMシンセの場合はリアルさだけでなく音の加工のし易さも考慮されて音源が構築されている為、生楽器同様のリアルさがあるかというと、ソフト音源ほどには無いです。PCMシンセはあくまでもシンセサイザーなので、様々な音を混ぜたり加工したりして新しい音を合成していくものなので、お持ちの方は是非プリセットばかりではなくオリジナルの音色を作っていきましょう!

 

PCMシンセのアナログシンセ音色

PCMシンセはオーディオファイルをオシレーターとして扱いますので、もちろん録音されてさえいれば正弦波や三角波などのアナログシンセでオシレーターとして使われるような音もオシレーターとして使うことができます。そしてそれらの録音された正弦波などを使ってPCMシンセを使って音作りをすればアナログシンセとほぼ同じような結果になります。

一つだけ注意したいのは、PCMシンセで出す音は全てオーディオファイルが元になっている為、裏を返せば全て録音された偽物の音という事です。上記のアナログシンセのオシレーターの音を録音したオーディオファイルを元に音作りをしたとしても、単体では本物のアナログシンセに到底敵いません。そこだけは覚えておきましょう!

 

ついでに…

アナログシンセっぽい音が出せるものは、3つあります。まず一つ目は本物のアナログシンセ。これはアナログ回路を使って音が作られているので、ツマミを回した時の音色変化の滑らかさや、独特の音の粘りは他に代え難いものです。これが最強です。

そして二つ目はアナログシンセのアナログ回路をデジタルで再現したVAシンセとかアナログモデリングシンセとか呼ばれているものです。これもデジタルとはいえ昔の名機と呼ばれるシンセのクローンや、アナログシンセでは到底出来ないような音作りが出来るものまであり、単純に本物と偽物(ピアノと電子ピアノ)といった関係性ではなく、ピアノとエレピのように別の楽器として確立されています。

そして3つ目がPCMシンセのシンセ音色です。単品で使用するのはできれば避けたいですが、聴いて問題が無ければ普通に使う、というくらいの認識です。録音された偽物の音といっても別にそこまで酷いものでは無いので、PCMシンセのみでガチのテクノを作る事だって余裕で出来ます。ただ、理屈で考えるともっと良い音がある(録音された音をさらに録音するより、本物の音を一回だけ録音した方が劣化が少ないという意味)ということだけ心に留めておきましょう!

あと、PCMシンセにアナログモデリング音源が搭載されていることが良くあるので、PCMシンセでアナログシンセ音色を使う場合には注意しましょう。

まとめ

記事を読んでもらえばわかるかと思いますが、PCMシンセサイザーは一つ一つの音色のリアルさや音質に関しては本物に絶対に敵いません。PCMシンセの強みは、その多様性を武器に無限の音作りをすることが出来るというところにあります。PCMシンセを生かすも殺すもユーザー次第ということです。

もしPCMシンセをお持ちの方は、ユーザーパッチをオリジナル音色で埋め尽くしてやりましょう!(僕もそこまではやってません笑)

 

それでは!

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