高校から始めたバンド活動での作曲や、専門学校での作曲、またその後の事務所を得てからのフリーでのクリエイターとして作曲をしていく中で、作曲のコツをいくつか発見したのでご紹介します。
人によって作曲の仕方はバラバラだと思います。そのため僕の意見もある程度は主観的な部分が多いはずなので、作曲に活かせるかどうか参考にしてもらえればと思います。
- 1.どこから作るかは自由にすべき
- 2.音楽理論が必ずしも重要とは限らない
- 3.ネタに困ったら好きな曲を聴く
- 4.適度に参考にする
- 5.作曲に必要な才能は音楽が好きかどうかだけ
- モチベーション維持の方法
1.どこから作るかは自由にすべき
作曲は普通、『作曲→アレンジ』の手順を踏むように教えられることが多いと思います。ネットで調べてもそうですし、専門学校でも基本としてそのように教わりました。
この順番通りに作る作曲方法はアイデアを狭めてしまうため僕は良くないと考えています。
例えば、とてもいいギターのバッキングやアルペジオ、コーラスのハーモニーなどが思いついた時、アレンジを後に回すと決めつけてしまうとそういったアイデアを盛り込むのが難しくなってしまいます。せっかくのアイデアをすぐ形にできないんですね。
メロディや簡単な伴奏を下書きとして作ることを前提に置くのではなく、イントロから本気でアレンジして作り込む方がいい曲が出来ることもけっこうあります。
なので、、、
- いいメインメロディが浮かんだらメロディから作りはじめる
- いい伴奏が浮かんだらアレンジから作りはじめる
このようにして自分が思いついたアイデアに沿って柔軟に作曲工程を組み替えることが大切だと最近感じています。
2.音楽理論が必ずしも重要とは限らない
音楽理論の知識は無いよりあった方がいいのですが、今思えば理論の知識が無い場合のメリットもあると僕は思っています。
上述の通り、僕は音楽の専門学校に通う前まではバンド活動をしていました。その時は特に理論の知識を持たず、自分のやりたいように曲を作っていたんですが、今聞き返してみると面白い転調をたくさん盛り込んだりしていて斬新なアイデアが出せていた気がします。
サウンドクリエイターとして様々なジャンルの作曲を行う場合、理論の習得は絶対に必要だと思いますが、アーティストとして自分を表現するために作曲を行うのであれば、そこまで理論を勉強しなくてもいいんじゃないかと思います。逆に縛られて退屈な曲ができてしまうなんてことが普通に起こります。
音楽理論は今までの作曲者のアイデアをまとめたものにすぎないので、スキルアップには手っ取り早いですがあくまで自分の感性を大切にするべきだと思います。
簡単な理論でもかなりの作曲ができる
ちなみにロックやパンクは、理論の知識がなくても聴き込んでいる人なら作れると思います。特にギターが弾ける人はノリで作れたりします。
理由は簡単で、これらのジャンルで使われるパワーコードは1度と5度だけの超簡単なものが多いからです。メジャーやマイナーを決める3度の要素すら入っていないので感覚で作れるんですね。
また、簡単なトライアドコードを覚えるだけの音楽理論の入り口程度でも本格的なJAZZを除けば作曲できちゃったりします。それぐらい今のDAWは進化しています。
理論で作るだけが音楽じゃないので、これから始めてみたいけど不安な方はぜひチャレンジしてみてほしいです!
3.ネタに困ったら好きな曲を聴く
よくネタが浮かばない時は色んなジャンルの音楽を聴く方がいいと言われます。僕もこれは正しいと思っていましたし、実践することで引き出しを増やすことができました。
なのでこれはやった方がいいと思うんですが、単純に知識はあれど何も思いつかない時、いわゆるスランプ状態の時は好きな曲をガンガン聞いた方がいいと思います。
スランプの原因はモチベーションです。やる気が無くなると人はどうしても受け身になってしまうため、自発的にアイデアを出さなければならない作曲の仕事は全然できなくなっちゃうんです。
なので、モチベーションを上げるために自分が心から好きな曲をたくさん聞きます。
『音楽作りたい!』って気持ちが戻ってきたらしめたものです。今までのスランプが嘘のようにガンガンアイデアが出てきます。
思うに人をやる気にさせる原動力は感動だけです!
4.適度に参考にする
作曲を仕事にしていると、必ず参考曲が出てきます。リファレンスってやつですね。しかし、似すぎてしまっても問題があるし、似ていなさすぎても「イメージしていたものと違う!」と言われてしまいます。適度に参考にする技術が必要になってきます。
こういった時におすすめなのが、特徴を掴んで一部だけを参考にする(似せる)パターンです。
リズムだけ似せてメロディーは全く違うものにする
→例えば、サビ頭の畳み掛けるようなリズムが特徴的だと感じたら、そのリズムを一部変えて全く違うメロディーを乗せてみる
メロディーを似せてリズムを変える
→メロディーの上下が一部激しくなっているところが印象的だと感じたら、メロディの要素だけ取り入れてみる(音を似せるのではなく、音の上下のパターンを似せる)
など特徴を掴んで取り入れる技術を身につけると、作曲にかなり使えます。
5.作曲に必要な才能は音楽が好きかどうかだけ
僕は色んなクリエイターさんと会ってきましたが、作曲の仕方は主に以下の2つです。
理論完全無視タイプ
思いつくままに音を鳴らして曲にしちゃう人たち。こういう人たちでしっかりした曲が作れる人は、とにかく耳がいいです。簡単に言えば、カラオケですぐにハモリをつけたり、バンドのジャムセッションで適当に弾くだけで合わせられる人たち。こういったスキルは幼少期の訓練だったり元々持ち合わせた才能だと思います。天才タイプですね。
理論で作る頭脳タイプ
逆に音楽理論を駆使して丁寧に自分のアイデアを形にしていくのが頭脳派の作曲家です。カラオケで音を外してしまう人でも、理論を少し学んでアイデアを仕上げていくだけで、天才タイプと同じレベルの曲が作れます。僕はこっちの人間です。
このように作り方は大きく異なるので、天才タイプの才能が無くてもプロレベルの楽曲は作れます。逆にこれが両方欠けているといい曲に辿り着けないんじゃないかと。音痴な人が知識なしに作る曲は聞きづらいですよね。
作曲する上で本当に必要な才能は、音楽が死ぬほど好きであるということです。
『とにかく自分が最高に感動する音楽を作りたい!』って想いが強いと自分の穴を埋めようと必死になることができます。
とはいってもこういう熱い気持ちって続かない人もいると思います。僕がモロにそうです。もうとにかくめんどくさがりです。暇さえあれば音楽から離れてどうぶつの森やってます。
というわけで最後に僕がやる気を維持するためにやってることをいくつか上げてみるので、よかったら参考にしてみてください。
モチベーション維持の方法
- 感動できる音楽を常に探す
(めちゃくちゃかっこいい曲を聴くとモチベーションが上がります。)
- 機材にお金をかける
(高い楽器や機材、高品質のプラグインを購入してみると、これだけお金をかけたんだから、とやる気が出てきたり、高品質の音源は自分でもびっくりするくらいやる気が出ます。)
- あえて作曲しない
(毎日作曲している人におすすめの方法です。3日も経つと逆になんか作りたくなってきます。)
- ネタを作りためておく
曲作りのアイデアが浮かんだらすぐボイスメモに録ったり歌詞をメモしたり、とにかく一部だけでも作りためておきます。スランプに落ち入ったら、これらをつなぐだけで1曲できたりしますよ!