ハリウッド映画並みの大迫力なオーケストラのミックスって憧れますよね。オーケストラではそれぞれの音色に特徴があるので、EQを使って普通のミックスをすると変な音になってしまうことがあります。そこで、この記事ではオーケストラに特化したミックスのコツをご紹介します。
①EQをほとんど使わない。
普通、音圧を上げるために個々のトラックにEQをかけて音の住み分けを行いますが、オーケストラの場合やらない方がいいです。
オーケストラは個々の楽器の音色そのもので帯域の住み分けを行なっているので、楽器の音質を変えると音圧は稼げても音質が悪くなってしまいます。
オーケストラのミックスでは足らない帯域の音を足していく作業をしましょう。
例えば、低い帯域が足らないと感じたとしましょう。この場合、コントラバスの低音域をEQで持ち上げるのではなく、コントラバスとユニゾンしたチューバを加えます。
逆の引き算に関しても同じことが言えます。例えば中域が出過ぎて音のヌケが悪いと感じたら、EQでミドルレンジを削るのではなく、中域で余分になっているビオラやボーンなどの楽器を減らしていきます。
このように、音質ではなく楽器の量や種類をイジることで理想のミックスに近づけていくとリアルで迫力のある音に仕上げることができます。
②コンプレッサーをかけすぎない。
オーケストラは小さな音と大きな音の差が大きければ大きいほどダイナミクスが生まれて迫力が出ます。
ハープとフルートだけのキレイなメロディラインから急に全部の楽器が『ドーン!』となると感動しませんか?こういうことができるのがオーケストラの醍醐味だと思います。
なのでコンプレッサーはあまりかけすぎない様にしましょう。ダイナミクスが失われるともったいないです。また、コンプレッサーも音を潰しているので少なからず音質も変わってしまいます。
コンプがあまり使えないとなると音圧が稼げないという問題もでてきます。なるべく作曲の段階から最大の音量がどこまでいってしまうのか意識しながら作り込んでいきましょう。
③打楽器を埋もれさせない。
個人的にオーケストラは打楽器が1番埋もれやすいです。リズムがしっかりと聞こえないと迫力が半減してしまうので、自分が思っているより少し大きめに音量を出す様にするのがおすすめです。
また、打楽器に関しては少々きつめにコンプで潰してもそれらしい音がするので、なるべく強調してあげるといいと思います。
余談ですが、ティンパニはドラムのキックみたいな役割ができません。以外と中域付近にいる楽器なので、ここぞという時のキック音は大太鼓を使いましょう。『なぜに和楽器?』って感じですが、意外にも海外のフルオーケストラセットには必ず大太鼓が常備されています。