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ギターのダブリングとは?設定のコツと注意点

 

Epiphone エピフォン エレキギター Goth 1958 Explorer

ギターのバッキングに厚みを出したい時や、バンドサウンドに迫力を出したい時に試してほしいのがギターのダブリングです。

この処理をすることで圧倒的な音圧感を得ることができます。特に激しめのロック、メタルなどの勢い重視のサウンドメイクにはもってこいな手法です 。

ダブリングの仕方、手順とコツ

1.全く同じギターを2回録音する

ギターのリフやバッキングを録音したら、別トラックを用意して全く同じリフを録音します。

コツ

ダブリングをする時は基本的に同じギタリストが同じリフを弾いた方が厚みを出せます。理由は同じフレーズでも違うギタリストが弾くとニュアンスが変わるため音が分離してしまうためです。

2.録音したギターを左右に振る

別トラックに同じギターリフができたら、それぞれのトラックを左右に振ります。僕は特に理由が無い時は完全にPANを振り切っています。

コツ

PANの振り方は自由です。振れば振るほど音は広がりますが、例えば左50右20など非対称にしてライブ感を出すのもありです!色々試してしっくりくる所を探してみて下さい。

3.EQでローカットする

音は低域に行く程広がる特性を持っています。そのため、ダブリングをすると全体的なサウンドがぼやけてしまいます。Lowカットの処理をして音像をスッキリさせましょう。

コツ

僕は50〜70以下はバッサリカットしています。EQに関しては左右で音作りを変えてもいいです。例えば左のギターを重厚感あるモコモコサウンドに、右のギターをドンシャリのジャキジャキサウンドにするなど。

 

2小節ぐらいの簡単なギターリフで構わないのでぜひ試してみて下さい!びっくりするぐらい曲の迫力が増すと思います。

ダブリングの注意点

2回弾くのが面倒なので別トラックにコピペするのは基本的にNGです。やってみると分かるんですが、全く同じフレーズは位相の関係でお互いの音を殺しあうので迫力が出ません。またステレオ感もなくなります。

コピペする場合は、オーディオの編集画面で左右の位相を逆にしたり、少しだけデータをズラすなどをして左右の音に違いをつけてみて下さい。

ダブリングのメリット

1.センターを空けられる

ギターを左右に振ることによってセンターを開けることができます。センターに来るボーカルやベースとぶつかることがなくなるため、それぞれのトラックが聞こえやすくなるだけでなく、後のミキシングで音圧を稼ぐことができます。

また、異なるギターリフを重ねたり、リフでハマったりする時にも便利です。重ねたいリフをセンターに置くことでバランスがよくなります。

2.音の壁を作れる

特にPANを振り切ったダブリングに言えることですが、恥をギターリフにして壁を作ることで個人的にミキシングが楽になります。センターが空くことで楽になる意味もありますが、しっかりと壁を作っておくとボリュームや帯域の調整がしやすくなります。

ちなみにダブリングは何個重ねても大丈夫です。

例えば同じリフを

左60、左20、右20、右60と満遍なく振ってギターリフに厚みを出す方法もあります。この場合得られるメリットはステレオ感を増すことができることにあります。

海外のギタリスト(インスト中心のアーティスト)が重ねまくってたりします。音が増えるのでミックスも難しくなりますが、興味のある方はぜひ試してみて下さい。

多重録音以外のダブリング方法

ギターが弾けない人はMIDIデータやループ音源を使うことになると思いますが、こういった場合通常の多重録音を利用したダブリングはできません。

『泣き寝入りかー!』となりそうですがそうでもありません。他にダブリングする方法をいくつかご紹介します。

1.Spreaderを使う

スプレッダーは音にステレオ感を与え広がりを持たせる効果があります。きつくかけるほどギターの音像が左右に分離していくのでダブリングと似た効果を作れます。

2.ダブラーを使う

そのまんまですがダブラーというダブリング専用のプラグインもあります。

ただしダブラーはステレオ感を出すものやショートディレイのように音を太くするだけのものもあるので使い方はその都度調べてみる必要があります。

3.位相、MIDIをズラす

先ほども少し触れましたが、位相や音源を少しだけズラすことでダブリング効果を狙うことができます。音源のデータをズラす場合は、DAWを拡大して本当にほんの少しだけズラすようにして下さい。迫力がガラッと変わります。

まとめ

個人的に2回録る手法が1番おすすめです。自然なダブリングが得られるのでアナログ感のある迫力が出せます。

また、バッキングは主にパワーコードなど複雑な和音を使わないものがオススメです。

このダブリング手法を使うのは大抵ディストーションなどを使ったハイゲインサウンドに最も効果が現れるため、テンションの入ったコードは伝わりにくいです。

個人的にファンク系などカッティング中心のバッキングは左右で違うことをしたほうがアイデアが広がって面白いと思います。

とはいえダブリングはロック以外のジャンルでも色々と役立つので覚えておいて損はない手法です。色々な場面で試してみて下さい。

 

 

 

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