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宅録におけるコンデンサーマイクのセッティング方法

Neumann TLM102 Black

こんにちは。

コンデンサーマイクダイナミックマイクと比べると音質面で明らかに高性能ですが、特に自宅での録音(宅録)でコンデンサーマイクの性能を最大限に引き出すのはなかなかに難しいものです。

本日はそんなコンデンサーマイク宅録で使う際の注意点や、ちょっとしたコツをご紹介していきたいと思います。

コンデンサーマイクって?

まずはコンデンサーマイクについて簡単に説明していきます。大体は理解しているという方はこの項は読み飛ばして頂いて全く問題無いです!

ダイナミックマイクとの音質面の違い

コンデンサーマイクダイナミックマイクと比べると非常に広い周波数帯(低音から高音まで)を拾う事ができる高性能なマイクです。特に超高音域のシャリシャリとした音はダイナミックマイクではまず拾えない周波数帯のため、ボーカルやピアノ、アコースティックギターやシンバルなどといった、広い音域をもつ(特に高音域)楽器の録音に使われます。

逆に低音域に関してはダイナミックマイクでも代用できる上に、コンデンサーマイクが大きすぎる音を録音するのが苦手だということもあり、ベースやバスドラムなどの低音楽器の録音には使われることは少ないです。

ファンタム電源

電源の必要ないダイナミックマイクと違い、コンデンサーマイクを使うにはファンタム電源というものが必要になります。最近のミキサーやオーディオインターフェースMTRなどの録音機器には大抵は搭載されているので、ファンタム電源というものを別途で用意しなければならない訳ではありません。ご安心ください(笑)

マイクケーブルを挿して録音機器側のファンタム電源をオンにするだけでケーブルから電源が供給されますので、特にどこかに電源をつないだりする必要もありません。

一部のチャンネルのみがファンタム電源に対応している場合もあるので、手持ちの機材の何チャンネルがファンタム電源供給可能なのか確認しておきましょう。

指向性を知ろう

マイクには指向性というものがあります。マイクの集音範囲(音を拾いやすい範囲)のことです。マイクの前方に集音範囲が広がっている単一指向や、マイクの全方位に均等に集音範囲がある無指向、そして前方と後方に集音範囲が広がっている双指向というものもあります。

コンデンサーマイクの中には本体についているスイッチでこの指向性を変える事ができるものがあります。

欠点

先ほども少し触れましたが、コンデンサーマイクは大きすぎる音を録るのが苦手です。やった事がないので本当に壊れるかは未検証ですが、バスドラムなどの非常に大きな音がする楽器の音をオンマイク(近距離)で録ろうとすると壊れてしまいます。

また、宅録においては最も重要なデメリットといえるのが、広い周波数帯を拾う事ができる故にノイズも非常に拾いやすいという点です。これに関しては次の項で詳しく書いていきます!

宅録でのセッティング

ここからは宅録コンデンサーマイクを使う際の注意点やコツなどを書いていきます。

録る音よりも録りたくない音に気を配ろう

一度でも自宅でコンデンサーマイクを使ってみた方であれば分かると思いますが、自宅でコンデンサーマイクを使うと、とにかくあらゆるノイズが入り込みまくります。蛍光灯のジリジリ音やエアコンの音、換気扇の音、外を走る車やバイクの音、服が擦れる音など、高性能故にどんな音でもくまなく拾ってしまいます。

自宅でコンデンサーマイクを使う際には、録りたい音よりもむしろ録りたくない音を1つづつ消していく事が音質アップに繋がります。蛍光灯を消す、空調の電源を切る、換気扇を切る、擦れても音が出づらい服を着る、そしてあとは録音中に車が近くを通らないことを祈るのみです。……なんだか全部かっこ悪いですが、本来は大金を出してレコーディングスタジオでやるようなことを自宅でやろうってんです。カッコなんて気にしてられません。

かといって高級なレコーディングスタジオでもない限り完全な無音を作り出すのはほぼ不可能なので、このノイズたちを完全に消すことはできません。自宅で録っている以上どうしても妥協は必要になってきます。

 

指向性を確認

上の項でも触れたように、コンデンサーマイクの中には指向性を変えられるものがあります。基本的には必ず単一指向にしておくようにしましょう。録りたい音の発生源に向けてセッティングすればそれ以外の音は拾いづらくなるためです。無指向になっていると狙った音以外の音が非常に入り込みやすくなるので注意が必要です。

ノイズゲートを使う

根本的なノイズの除去にはなりませんが、ノイズゲートを使うことでノイズがかなり気にならなくなります。ノイズゲートとは小さい音の時は音を通さず、設定した以上の大きい音だけを通すというエフェクトです。単体のノイズゲートもありますが、コンプレッサーや録音機器に搭載されている事もあるので、もし手持ちの機材に搭載されていれば使ってみましょう。キツくかけすぎると不自然な音になってしまうので注意が必要です。

 

まとめ

自宅でコンデンサーマイクを使う=ノイズとの戦い、だと思っていただいても過言ではありません。いかに部屋の余計な音の発生源を突き止めて排除できるかにかかっています。部屋のノイズを完全に消すことは不可能なので、最終的にはあまりノイズに対して潔癖になりすぎない事も結構大事な事なのかもしれません。

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