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ステレオ録音とモノラル録音の違い

こんにちは。

前回の記事ではステレオとモノラルの違いについて書かせて頂きました。

要約すると、実際の再生環境としてのステレオ、モノラル。データ形式上でのステレオ、モノラル。そして聴感上でのステレオ、モノラルという3つの尺度でステレオ、モノラルというものは分ける事ができる、という内容でした。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

今日はその知識を実際の音楽制作や録音の場面でどう活かしていくかを書いて生きたいと思います。

 

 

音楽制作においてステレオ録音とモノラル録音を間違えるとどのくらいヤバイか?

音楽制作ソフト(以下DAW)はオーディオファイルを作るソフトなので、録音の際には必ずステレオ録音とモノラル録音を選択する事ができます。これが出来ないDAWは無いです。

ステレオとモノラル、どちらで録音するのが適しているのかは録音したい音によるのですが、まずその話の前にそれを間違えるとどの程度ヤバイのかだけ書いておこうと思います。まずモノラルで録音した方が良いものをステレオで録ってしまう場合にはそこまでヤバくは無いので安心して下さい!ちょっと恥ずかしいと言う程度のものです。僕も多数のトラックをDAWでバウンスする際には時々うっかりやってしまったりもします。ただ、録音するトラック数が多くなるにつれて実害は大きくなってきます。

一方、ステレオで録らなくてはいけないものをモノラルで録音してしまったパターンは、実際の聴こえ方が変わってきてしまうので、そこそこヤバイと言えます。(まあ個人的には1トラックくらい間違えてても俺は気づかない自信ありますけど…)

 

DAWでのバウンスやライン録音の場合

データ容量的な問題

ステレオ録音とモノラル録音の選択を間違えているパターンの99%くらいは、本来はモノラルで録音しておくべきものをステレオで録音してしまっているパターンです。DAWの録音やバウンスは基本的には何も設定を変えずに行なった場合はステレオで録音されるからです。この”本来はモノラルで録音すべきものをステレオで録音してしまう”パターンの場合は、聴こえ方は変わらない筈ですので気にしないでOKと言えなくもありません。

ただ、ステレオのオーディオデータはモノラルのオーディオデータの2倍の容量がありますので、多数のトラックを扱う場合には全てのトラックをステレオ録音してしまうと、不要にPCに負荷をかけることになります。それが原因でDAWの動きがぎこちなくなったり、最悪フリーズしてしまう可能性もあります。

 

モノラル録音かステレオ録音かの見極め

基本的には音の発生場所が一箇所、または音の発生場所が狭い楽器の音はステレオで録音する必要はないです。スネアドラムやバスドラム、ギターやベース、ボーカルなどがそうです。

音の発生場所が複数、または広い楽器の場合にはステレオ録音を使います。代表的なのはピアノなどの鍵盤楽器ですね。また、基本的にはスネアドラムやバスドラムはモノラルで別々に録るべきではありますが、ドラムセットの音をまとめて録音する場合にはステレオ録音をしましょう。ただこの場合には後で各楽器の音量を調整できなくなるのでオススメはしません。

 

より実践的な話

DAW内で曲を作る場合は普通は、MIDIで打ち込み→打ち込んだトラックをオーディオに変換→ミックスという流れになるかと思います。

各トラックのステレオ録音かモノラル録音かを選択するのは勿論、打ち込んだトラックをオーディオに録音する時なのですが、この時には注意が必要です。普通はMIDIで打ち込みをやっている段階で各トラックの音量と定位を調節しながら作業を進めると思います。ですが各トラックの音量や定位を調節した状態でそのまま録音をしてしまうと、本来よりも小さい音で録音されてしまいます。

MIDIでの打ち込みが終わり、各トラックを録音する際に注意したい事を簡潔にまとめると

 

①まずステレオで録るかモノラルで録るか判断!

②全ての音量を0dB(調節していない状態)、定位をセンターにする!

③エフェクトを切る!

 

という感じです。DAWで多数のトラックを一つ一つバウンスするのは面倒で間違いやすい作業なのですが、それを怠って各トラック調節済みの小さい音量で録音したり、調節済みの定位のままステレオで録音したり(モノラル録音してミックス時に定位を調節すれば良い)、エフェクトを効かせたまま録音したりすると、ミックス時に色々と不都合が発生し、最終的に音圧が稼げなかったり重すぎてPCがフリーズしたりと良くない事だらけです。

DAW内で複数トラックをバウンスする際には必ず上記の①〜③を徹底しましょう!

 

マイクでの録音の場合

マイクで生音を録音する場合にはDAW内でトラックをバウンスする時と違って、うっかりモノラルの音をステレオで録音してしまうというようなことはまず起こりません。

生音での録音に関してはまた別の記事で詳しく書きますので、ここでは割愛しておきます…

 

まとめ

今回はDAW内でのトラックのバウンスや録音について書きましたね。上にも書いた

 

①まずステレオで録るかモノラルで録るか判断!

②全ての音量を0dB(調節していない状態)、定位をセンターにする!

③エフェクトを切る!

 

この3ステップは結構大事なので面倒ではありますが実践しましょう。

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