ギターを使っていて1番多い不具合がビビりだと思います。特定の場所だけがビビってしまうこともあれば、ひどい時はどこを弾いてもペチペチ音がなって全く機能しなくなってしまうことも!
ビビりの原因は1つではないので、原因を究明してから対処する必要があります。この記事では、ビビりの原因を知る方法と、適切に対処して直す方法を合わせてご紹介します。
1.ネックが反っている
ネックが反ってしまうことで弦がフレットに当たってしまうようになり、ビビりが起こります。急にビビりが発生した場合、ネックの反りが原因であることが多いです。
確認の仕方
ギターを立てて真上からネックと弦が平行になっているか確認してみましょう。弦に対して弓なりに曲がっている場合は順反り、逆に反っていれば逆反りです。
タッピング方法
目視で分からない場合は、タッピング法を使って反りを確認します。
弦の1フレットと最終フレット(21フレットなど)を両手で抑え、12フレットをタッピングしてみます。右手の小指がギリギリ届くところです。
この時に小さな隙間があればいいのですが、隙間が広すぎたら順反り、隙間がなければ逆反りになります。
対処法
トラスロッドを六角レンチで回してネックをまっすぐにします。
トラスロッドはギターによってヘッドについていたり、アコギであればサウンドホールの中にあったりします。中にはネックを1度外さなければならないものもあります。
回す方向ですが、『順反りの場合は自分に向かって回す、逆反りはその逆に回す』と覚えておくと忘れません!
45度ずつ回して反り具合を確認してみましょう!
2.ナットが削れてしまった
長くギターを弾いているとナットが弦と擦れて減っていきます。そのために弦高が下がってしまいビビりが発生することがあります。
確認の仕方
3フレットを押さえて1フレットと弦の間に空間があるかチェックしてみます。弦がフレットに触れていた場合、ビビりの原因はナットの消耗ということになります。
(逆にあまりにも空間が広い場合は、ナットを削って弦高をもっと低くすることが可能です。)
対処法
ナットを新しいものに交換します。自分で合うものを探して購入するのが1番安上がりですが、楽器屋さんに持って行って弦高調整も一緒にやってもらうとかなり弾きやすくなります。
3.弦高が低すぎる
弦高を下げすぎている場合です。自分では設定したつもりがなくても、ブリッジのネジが緩んで下がってきてしまうこともあります。
ビビりの原因が分からなかったら単純に弦高を少し上げてみましょう。
エレキギターやベースの場合はブリッジのサイドにあるネジを回すだけで済みますが、アコースティックギターの場合はサドルの交換が必要になります。
4.フレットが消耗している
ギターを長く使っていると、弦とフレットの摩擦でフレットが減っていきます。
実はフレットは消耗品なのでこれは仕方がないことです。
また、プレイヤーの癖によって消耗の激しい部分とそうではない部分が出てきます。このズレが原因でビビりが起こります。
確認の仕方
実はフレットの消耗具合は目視で簡単に分かります。フレットに弦の跡がくっきりついているためです。
そこでビビりを起こしている場合はフレットの消耗と考えていいと思います。
対処法
フレットの擦り合わせを行なってビビりがないように調整します。調整は専門知識がないとできないような難しい作業になります。
楽器屋さんに足を運んで修理に出しましょう。
ちなみにフレット調整はフレットを削る作業になるため、これ以上削れない状態まで調整をするとフレット交換を行う形になります。
だいたいの相場ですが、フレットの擦り合わせは3万円ほど、フレット交換は5万円ほどすることが多いです。
10年以上弾き倒しているギターなどはだいたいフレット調整が必要になります。
5.共振を起こしている
最後に、共振を起こすことでビビりが発生するケースをご紹介します。
今までは弦がフレットに当たることが原因でしたが、共振は、弦を振動させた時に他のパーツが鳴ってしまうことを指します。
例えば、ペグのネジが緩んでいるためにネジが振動してビビりを発生させたり、ブリッジがぐらついて微小なビビリを発生させている場合です。
確認の仕方
一定の弦だけがビビリを起こす場合は共振を疑うことができます。が、そもそも共振の見極めはかなり難しいので、分からなかったらすぐに楽器屋さんでチェックしてもらうことが一番だと思います。
対処法
共振の原因は様々なので対処法が変わって行きます。こちらもなるべくお店に持っていくのがベストです。
ちなみに、ごく微小ですが、アコースティックギターの場合木が共鳴してビビリを発生させるケースが稀にあります。こういったケースは内側のブレージングを削って共振の位置をずらす作業が必要になります。
このレベルの微小なビビリは壊れていると判断することができないためギターリペアでは直せません。
職人の分野に入ってくるので、お店に出してもビビリが直らない場合は工房を尋ねると良いと思います。