オーケストラはダイナミクス(抑揚)がしっかりしているかどうかで曲の雰囲気がガラッと変わります。
特に大サビで盛り上げたい時はそれぞれの楽器の役割を理解して音の塊のような迫力を出すことが必要です。
この記事ではその道のプロに聞いたオーケストラにおいて曲を盛り上げるためのそれぞれの楽器の打ち込み方をご紹介します。
ティンパニ
ティンパニは打楽器なのでバンドでいうところのドラムのようなイメージを持つと思いますが、オーケストラでは音に厚みを出すためのアタック音と解釈します。
オーケストラでドラムのような打楽器としての役割をしっかり担えるのは、シンバルと大太鼓です。(実は日本の大太鼓は海外のハリウッドオーケストラでも必須アイテムです。)
ティンパニは輪郭を整えるもの
ティンパニはドラムのキックほど低域は出ず、中音域で鳴るため音が埋もれやすいです。その特性を逆に生かして、ストリングスなどのメロディに輪郭をつけるようなイメージで叩くと曲に迫力が出せます。
具体的にはメロディのアクセントになる部分でたたくのがおすすめです。
ロールで迫力を出す
また、大サビの手前でロールを入れることで一気に盛り上げることもできます。この時に、シンバルのロールも同じタイミングで合わせると威力倍増です。
大太鼓
ドラムのキックのような低域を支えるのが大太鼓です。ここぞというところで一発入れるとコシのある太いサビが作れます。
和風オーケストラなどの例外を除けば、なるべく大太鼓を連発しない方がおすすめです。あまり多用するとダイナミクスが失われるので、大サビの頭など1番強調したいアクセントに加えます。
(ちなみに、スターウォーズの超有名なメインテーマ曲はサビのアクセントが裏拍についています。頭出しで盛り上げるだけが正解とは限らないのです。)
チューバの破裂音を使う
金管楽器は思い切り強く吹くと破裂音のようなバリッとした音が出ます。昔のホラー映画では恐怖の効果音としてよく使われていました。この音をサビの頭に打ち込むと迫力が出せます。
特に低域を支えるチューバの破裂音は臨場感満点です!
主旋律にホルンを使う
主旋律はバイオリンなどキーの高い楽器が使われがちですが、勇ましさや迫力を出したい時はホルンがおすすめです。太くて丸いホルンの音色は力強さを象徴しています。
チェロもいい!
同じ中域でメインメロディを使うのにおすすめなのがチェロです。ふくよかな優しい音がするので、静かなサビ、バラードなどではチェロが大活躍してくれます。
木管楽器のアルペジオを使う
フルートやクラリネットは音飛びが得意なのでアルペジオに向いています。全体的に跳ねるような雰囲気を出して躍動感をつけたい時は木管楽器のアルペジオを使うのがおすすめです。
コードに忠実でなくとも、短いフレーズ(ラフのようなもの)を繰り返すだけでもアレンジの幅を広げられます。
サビで転調をする
鉄板ネタですがサビでキーを上げると盛り上がります。キーの上げ下げは個人的な意見が分かれると思うので、トランスポーズを使って半音上げたり、下げたりいろいろ試してみると面白いと思います。
また、曲が単調だなと思う場合、転調をたくさん盛り込んでみると面白い曲ができます。
特にワールドミュージック系は転調しまくるのが醍醐味みたいなところがあるので、壮大な雰囲気を作りたい時におすすめです!
まとめ
僕のオーケストラでの盛り上げ方をご紹介してみました。他にもやり方はいろいろあるのですが、オーケストラはメリハリが命だと思います。
これでもかってぐらい大胆にエクスプレッションを描いていく方がリアルなサウンドになるのではないでしょうか。